「プリントパック」とは似て非なる会社「ラクスル」

格安印刷会社「ラクスル」は、「プリントパック」の後追いで真似して出てきた競合と思っていました。しかし、日経新聞において、未上場で成長を続けるスタートアップ企業の企業価値ランキング9位(下記参照)、会社内容を調べてみるとまったく違うおもしろいアイディアのビジネスモデルで驚きました。

インターネットで注文するスタイルは同じですが、「プリントパック」が自社で印刷機を使うのに対して、「ラクスル」は自社で設備は持たずに全国の印刷会社と連携して、印刷機の空き時間を活用して刷っています。これを実現するため、全国の印刷工場をネットワーク化して、お客さんから注文の条件に合致した空いている印刷工場をマッチングさせる高度なIT企業なのです。印刷会社にとっては、設備の空き時間を減らして利益を上げるメリットがあります。お客さんにとっては、急な印刷にも対応して価格が安いメリットがあります。そして「ラクスル」はインターネットを窓口としてお客さんから注文をとり、全国の印刷会社に発注することで売上をつくる仕組みです。これは近江商人のいうところの三方良しで、みんなが幸福になる形です。

 

印刷業界は、全盛期には9兆円市場、今は6兆円の斜陽産業と呼ばれています(それでもGDPの1.2%もある)。印刷会社は設備をいかに稼働するかは死活問題だと思います。

「ラクスル」の平均顧客単価は1万円で、印刷会社としては、これまでの営業員を使っていたスタイルでは人件費が捻出できませんが、インターネット注文により小ロットでも利益が出る仕組みになりました。

 

物流業界にも、同様な仕組みで参入してスマホを使い、トラックに空きがある運転手と運搬を依頼したい荷主をマッチングさせました。

まさにシャアリングエコノミー(共有経済)の時代にあった会社で、今後もいろんな分野をマッチングして欲しいと願います。

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