「パーク24のすごい潜在能力」

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市街地や住宅地の空き地を駐車場にした黄色のロゴマークの「Times」をよく見かけます。この会社を調べていくうちに、将来大化けする可能性、すごい潜在能力を感じました。

 

主な事業は駐車場とカーシェアとなります。これが大きな成長性を秘めている理由を分析してみます。

 

■パーク24の主な沿革

1971年「西川清」氏(現社長「西川光一」氏の父親)がニシカワ商会から85年に会社分離する形で駐車場経営を開始します。先代社長はそれまで月決め駐車場しかなかった市場に、自動駐車装置を用いた24時間無人時間貸し駐車場をつくりました。99年に上場。07年に現社長「西川光一」氏が社長就任。売上2,329億円、29期連続増収(2017年10月決算)という実績で、駐車場事業会社、カーシェア事業会社としてはどちらも最大手のポジションです。

 

■駐車場事業の強み

駐車場の必要な場所において、圧倒的な供給力不足が現状です。それを開拓しているのが営業チームです。空き地情報から地主と交渉して、賃貸契約に至ることは「100件に1件くらい」の割合です。16年3月時点では19ヵ所だった営業拠点も全国100ヵ所に増やし、営業人数も強化しながら駐車場の増加に務めています。1年間の増加数1,084件、累計18,255件となります(2017年10月時点)。この数が29期連続増収の下支えをしています。

 

■カーシェア事業の強み

2009年に本格参入したカーシェア事業ですが、時代が早すぎたのか、利用の認知も進まず2013年まで赤字が続きました。車両台数が1万台を超えた2014年に個人利用だけでなくその利便性から法人利用に火がつき黒字化していきます(現在の法人比率は39%/2017年10月)。現在は車両台数が2万台を超えて市場も導入期から成長期に入ったようです。「ステーション」と呼ばれる乗る場所、降りる場所が多いほど利用者の利便性は向上するので、スケールメリットは大きいと言えます。さらに2020年には3万台に増やす計画のようで、カーシェア市場拡大の中で、利用者にとってもパーク24にとってもますます優位なポジションが築けます。

 

カーシェア事業は駐車場スペースの一角を利用した形で運営していて、駐車場事業の土台に上に成り立ち、新規に場所を探す必要がない強みがあります。

 

■パーク24の戦略

西川社長は戦略として『駐車場をいかに便利に使ってもらえるか、そこに寄与できること以外はやらない』と明快です。国内の駐車場開拓とカーシェアの車両数を増やすことに注力しながら、海外の駐車場事業会社を買収し、将来は海外のカーシェアも検討しているようです。

 

■パーク24の将来性

今後車は所有から利用へと移行して、さらにAIによる自動運転となれば、カーシェアは手軽なタクシーと位置づけられます。利用者が乗り降りする場所の近くに駐車場を数多くもち、合わせてカーシェアを所有するパーク24は次世代のクルマ社会の主役に踊り出る可能性があるのです。

 

(参考文献)

地味なパーク24が過去最高益を更新するワケ 東洋経済オンライン 2016/06/03

特集/絶好調企業の秘密 週刊東洋経済 2018/10/20

特集/勝ち抜く企業 週刊東洋経済 2017/6/17

カーシェア事業で独走するパーク24 日経ビジネスオンライン 2016/07/04