エンブレムと付加価値

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作家の五木寛之氏の話が面白かったので、載せてみます。

付加価値とは何かといえば、文化的価値ということです。例えば日本のトヨタ、日産、ホンダの車と、メルセデス・ベンツBMWアウディ、ポルシェのドイツ車の1台当たりの利益率をみると、後者の方が3~5倍くらい高い。日本車は故障も少なくて走りもいいのに、何が違うかというと、付加価値の部分の違いだと思います。メルセデスとは、ダイムラー車のディーラーを経営していたオーストリア=ハンガリー帝国の領事である富豪の愛娘の名前です。アウディの「フォーリングス」と呼ばれる4つの輪を組み合わせたエンブレムは、設立した4社の団結を象徴するものです。BMWロゴマークは、黒く縁取った円の中央を十字によって4等分し、点対称に青と白に塗り分けたデザインです。円と十字はかつて航空機エンジンメーカーだったことにちなみ、飛行機の回転するプロペラを表したイメージが確立しました。バイエルンの白い雲と青い空をイメージしているそうです。

ところが、日本車各社のエンブレムは、社名をモチーフにしていることは分かっても、そこから歴史やレジェンドなどが感じられません。日本は明治、大正のころから安いものを作り続けてきましたが、これからは単にいいものを安く提供するモノづくりだけではダメで、ヒューマンな物語やドラマを作って行かなくてはいけないでしょう。5のものを5で売るのではなく、10にも20にも付加価値を付けていくことです。

 

この話から例えばこれから起業する会社には当然歴史やレジェンドがない。そういった会社に付加価値をつけるアイディアについて今後考えていきたい。それはその会社の社会的役割だったり、社長の夢だったりするのかもしれない。