日本人と駅伝

 今年の箱根駅伝は、往路の視聴率が過去最高とのことで、盛り上がりを見せています。駅伝は、チームワークとか一致団結とかが好きな日本人向きのスポーツだなと思います。走者の合計タイムが短い方が勝つというシンプルなルールゆえに、一人の落伍者の遅れが致命傷となります。

 

わたしも中学生の時、冬場になると各運動部で選抜されたメンバーとして、市内の中学校対抗駅伝大会に出ていました。練習の時は、その日の気分とか疲れ具合で極端に良かったり、悪かったりムラが多いタイプでした。それでもレース当日は、無理をしない堅実な走りをしました。それは小さい頃からたたき込まれた日本の学校教育で、周りの人に迷惑をかけてはいけないというプレッシャーを感じて、子供なりにリスクを取らない方法を選択したのだと思います。逆にいうと挑戦してなく、大きな成果が取れない選択をしたということです。

 

今でも毎朝ランニングをやっているので、たまに駅伝にいっしょに出ないか?と誘われますが、毎度丁重にお断りしています。遊びであっても、チームに迷惑をかけてはいけないという意識、あるいはチームに貢献したいという意識から必要以上にがんばって無理をして肉離れなどを起こしたり、体調が悪くても参加しなければならない状況がいやなのです。それだけ駅伝は、精神的な負担の大きい種目だと感じます。

 

まして箱根駅伝に選ばれた選手の大きなプレッシャーはいかばかりかと思います。勝者は常に美しいが、ブレーキとなった選手は周りの失望をどう受け止めればいいのか想像しただけで、胸がバクバクします。