赤城乳業「ガリガリ君」のプロモーション

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電車に乗っていると「ガリガリ君×アディダス 2018 サッカー日本代表Tシャツ当たるキャンペーン」を告知するステッカー広告を見て思い出しました。この会社はプロモーションの側面から見ると非常におもしろいのです。ガリガリ君のキャラが登場するゲームをコナミと、マンガを小学館コロコロコミック)、ガチャポンキーホルダーをバンダイと組んでつくっています。今回もそうですがワールドカップサッカーに合わせて、ガリガリ君が日本代表ユニフォームを着た商品とアディダスと組んだ日本代表Tシャツをつくっています。さらにガリガリ君の妹キャラである「ガリ子ちゃん」でJR東日本のスキー旅行キャンペーン「JR SKISKI」などをやっていました。こうした他社とのコラボ企画は、顧客との接点強化、話題つくりが販売本数の増加へつながっているのです。

 

商品自体でも話題つくりをおこなって成功をしています。12年にアイスキャンデーとの組み合わせではありえない「コーンポタージュ味」は、「まずくて全部食べられなかった」「意外にいける味だった」とSNSで拡散され、それがネットニュースから火がつき、TVのワイドショーなどで取り上げられました。

その結果、わずか15万円のPR活動費で、5億円以上の宣伝効果を上げたといわれ大ヒットしました。さらに翌年の13年は「シチュー味」を出し、今度はシチュー味で勝負と話題となりました。しかし、この話には落ちがあって、その翌年の14年に3匹目のドジョウを狙って「ナポリタン味」を出しますが、まったく売れずに3億円の赤字となったそうです。この失敗さえもテレビ番組の中で「味がまずかったので、3億円の赤字を出した」といってしまいネタに出来るところにこの会社のたくましさとしたたかさを感じます。この話題つくりは偶然ではなく、成功も失敗も意図的にPRに活用できる風土は、隠ぺい体質が多い日本企業の中ですごいことです。