「シーブリーズ」 リ・ボジショニングの成功例
自社の商品が、売上が下がってきたら再生方法を考える手法として、リ・ボジショニングがあります。自社商品と他社商品の相対価値のボジションにおいて、自社商品のボジションを移動させることで、売上を再生させるのです。
その成功事例として「シーブリーズ」があります。我々おじさん世代にとってのこの商品は夏の海水浴に持っていく定番のスキンケア・ローションでした。しかし、ここのところの若者の海やプールに行く機会の減少や競合商品の増加、ブランド自体の高齢化、消費者からの飽きなどが原因で売上も激減していました。
これを発売元の資生堂が再生させたのです。ターゲットを20~30代の男性から女子高校生へ、使う場所を海(日焼けケア)から日常(汗ケア)へと移動させることで、低迷期の8倍に売上を伸ばしたのです。
調べてみると「シーブリーズ」は1902年に米国で天然由来のスキンケアの消毒薬として出来たようです。現在も商品の中身は変わらないようなので、商品の絶対価値は変えずにボジショニングという相対価値で今も生き残っているのです。
ここで学ぶべきは、ブランド自体の高齢化を理由に「シーブリーズ」販売を止めることは簡単ですが、この商品力を信じ、これまでの常識にとらわれず、思い切ったリ・ボジショニングをやった資生堂担当者の決断です。そしてどんなに定番商品となっても価値は必ず劣化するということ、それは「顧客は飽きる」、「競合が増える」からです。
現在のCMをyoutubeでみると、「広瀬すず」を起用した今どきの洗練されたつくりとなっていますが、昔のイメージと乖離が大きすぎてピンときませんでした。昔のCMを探してみると1995年頃のものがあり、この世界観だよなとホッとできました(笑)。
現在のCM
https://www.youtube.com/watch?v=4RftgYE9SmY
1995年頃のCM
https://www.youtube.com/watch?v=1wASsqWVsfI