バブル期のコカ・コーラCM

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最近のささやかな楽しみが、夜飲んだ後の寝る前に泥酔して観るユウチョーブです。

たまたま見つけたバブル期(1987~1989)のコカ・コーラCM集がおもしろかった。

 

キャンペーン・スローガンを「Ifeel coke」としています。「コカ・コーラを飲むとさわやかな気分になれる」のような意味なのでしょうか? さわやかさ満載で落ちのないノー天気なCMばかりです(笑)。

 

当時の時代背景もあり、暗さの微塵もない明るく健康的な物です。設定も運動会、祭りや夏の海水浴など、日本の日常にこれだけ溶け込んだアメリカのコカ・コーラを強調して、老若男女が飲むヴァージンからハーフぽい美男美女が登場して、かっこよくコカ・コーラを飲むヴァージンなど全てに「さわやか」を打ち出す明快なつくりになっています。飲むシーンではビンと缶が混在していますが、今はビンのコカ・コーラはすっかり見かけなくなりましたね。

 

当時は好景気だけでなく、今ほどコンビニも普及してなく、コカ・コーラ自動販売機を中心として他社を寄せ付けない圧倒的な販売力を誇った時代です。潤沢な予算でCMを制作して、専属の外資系広告会社が放送前にターゲット層を集めて調査、クリエイティブチェックを行ったと思われます。調査で注目率の高かった水着やかわいい子供をカットの合間に入れている形跡があります。その意味では、すべてに計算された広告の教科書のようなCMとなっています。

 

今観てみるとストレートすぎて、ウソ臭い感じもします。それは我々消費者が賢くなったからなのか、今の時代にマッチしてないからなのか、わかりませんが当時の時代の元気さを思い出しました。

「ブランディング」を考える

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松下一功氏のブランディング・セミナーにいってきました。まず自己紹介で、日本ではブランドコンサルタントという専門家はほとんどいないという説明に驚きました。これだけブランドという言葉が一般化しているので、多く存在する職業なのかと思っていました。

 

その数多い事例の一例として、トヨタが米国で成功した「レクサス」ブランドを日本に持ち込む時に、すでにあるトヨタの高級車「クラウン」の顧客を奪うことなく「レクサス」の新規顧客をつくること、ブランドを棲み分けさせるやり方など難易度の高い戦略を立てるプロフェッショナルです。

 

その企業の歴史やストーリーを活用して象徴をつくり、売り手と買い手の両方から共感を得るのが、そのブランディングの手法です。

 

このセミナーで感じたことは、日本には歴史やストーリーは充分にある老舗の名門企業、例えば酒造会社や食器会社など数多いのに、このようなブランディングの手法が確立されてこなかったことです。

 

欧州の「メルセデス・ベンツ」や「BMW」に対して、日本車のブランドの付加価値をつけて売る下手さ加減、まして「ルイ・ヴィトン」や「ヘルメス」のバッグなどのブランディングのうまさは、日本と比較して圧倒的です。

 

しかし、この分野の専門家が少ないということは、身につければ国内ではブランディングで優位なポジションに企業を導けることができるということです。機会あれば、もっと知識として勉強したい手法です。

コミュニティをマーケティングに活用した成功事例

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コミュニティをビジネスとして活用できないかを調べていたら、「ハーレーダビットソン・ジャパン」(以下H.D.J)の事例を教えてもらいました。

H.D.Jは全国各地の店舗に「チャプター」と呼ばれる顧客専用のツーリングクラブを持っています。各店舗単位でツーリング・プランを立て、ツーリングを楽しみながら、店舗スタッフと顧客、顧客同士が仲良くなりコミュニティが出来上がる仕組みです。それはハーレーダビットソンというバイクを共通のホビーの中で生まれる、「物より思い出」を体感できる場所でもあります。

 

これによく似ているのが自転車です。私は前にロードレースをやっていたのですが、やはり多くの自転車店が顧客向けのチームを持ち、集団トレーニングやレースの遠征などの活動をしています。これを通じて、店舗側がメカニック、トレーニング、レースなどをサポートする代わりとしてその店舗で、新規の自転車、部品、メンテナンスを暗黙のうちに購入する仕組みとなっています。このコミュニティのマーケティングで、安いネット販売と競合することなく、価格競争にせず利益を確保できます。しかし、自転車の場合はあくまで店舗単位ですが、H.D.J-店舗-顧客とより組織化されているのが特徴です。 

 

ここのところ顧客は単なる価値の受け手という役割ではなく、価値創造をつくる役割を担っています。SNSなどでの情報発信を行い、商品の評価や時に伝道師の役割を果たしています。特にホビーではよりその傾向が強く、コミュニティのマーケティングが成功しやすい分野と考えます。

5億4000万円のCM

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テレビ東京の「カンブリア宮殿」を観ていたら、ホンダジェットの飛行機がCMでやっていていたので、ぶっとびました。これまでで私の記憶では、単品としては一番高額商品のCMではないでしょうか。調べてみると一機490万ドル(5億4,000万円)でした。

 

世の中好景気らしいので、「カンブリア宮殿」を観ているベンチャー企業の社長あたりが、このCMでポンと買ったりするのでしょうか(笑)。あるいはホンダの新しい事業をアピールする企業CMの位置づけなのでしょうか?

 

以前、知り合いの広告会社の航空会社を担当したCMディレクターから、商品撮影で一番お金がかかるのが飛行機の撮影と聞いたことがあります。特に飛行シーンは撮影する飛行機と撮影される飛行機の2機必要でその限られた時間・空間の中で、失敗の許されない撮影の緊張感はいかばかりかと思います。今どきの飛行シーンはCGも使うのかな。

 

調べてみると1962年に創業者の本田宗一郎が飛行機事業への参入を宣言して、1964年に本田航空を設立。1997年ホンダジェットの開発を開始して、2015年アメリカ連邦航空局から機体の型式証明を取得して、現在量産体制とあります。これだけの長期プロジェクトでたどり着いたビジネスジェット機であり、そのCMなのです。再度CMを見直すとじわっと感動しました。

 

 

うまいPR 「トリンプの世相反映ブラ」

 

毎年マスコミで話題となる下着メーカー「トリンプ・インターナショナル・ジャパン」の世相反映ブラ、年に1~2回で発表しています。

「広告宣伝費が限らせているなかで、多くの消費者に当社のことを知ってほしい、そうした考えから、始まった企画」とのことで、昨年は「プレミアムフライデーブラ」でした。

 

消費拡大の象徴として、「がまぐち財布」をデザインして、午後3時になるとプレミアムフライデーの始まりを告げるアラームが鳴り、暗くなるとPREMIUM FRIDAY」と光るしくみとなっています。(非売品)

 

このような仕掛けを備えるのは、「取材時にその機能を説明する分、テレビに映る時間が長くなる」ためのようです。

 

マスコミが毎年取材に行くのも、仕事で昼間から女性モデルの下着姿が見られるが楽しみという裏事情もあると思います(笑)。そのような意図を発信側から感じさせないように企画に関わるスタッフはすべて女性とのこと。いろいろなものを計算しつくした、うまいPRをしたたかにやる会社だと感じます。

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思考のリミッターを外す

今売れている冨田 和成氏の「鬼速PDCA」のセミナーにいってきました。           もちろんPDCAの話がメインですが、それとは別の話「思考のリミッターを外す」が印象に残りました。脳と筋力に関していえば、本来もっている能力の通常2~3割のところまでいくと自己防衛本能で脳が止めてしまうのを、スポーツの世界ではメンタルも含めたトレーニング方法でその限界値を上げていきます。ノミの実験では、50㎝の高さでガラスの壁をつくると、それに慣れたノミはガラスの壁を外しても、50㎝以上飛べなくなるそうです。

 

人間も常識とか限界とか思い込みの檻に入っているのではないかと疑問に持ち、思考の視点を変えてみることが大切さを感じます。その思考のリミッターを外す方法として、時に自分の会社の売上を年間500%上げるやり方を考える。それには従来のビジネスモデルや時間の使い方とは全然異なる方法しかなく、結果的には新しいアイディアを生むきっかけとなります。それには従来の方法を俯瞰で見た高い思考の視点、別の視点が必要だと感じます。

商売(ビジネス)の喜びとは?

キャッチコピーを考えるヒントとなる思考法として役に立った「価値想像の思考法」(小坂裕司/東洋経済新報社)の「小坂裕司サイト」から住所を記入して、本の購入者へ無料で送られた「商売実践実例集」がさらに役に立ちました。

 

会社員も含めた商人の喜びとは「お客さんを喜ばせた結果、儲かる」という原点に気づかされました。余裕がなくなると「お金を儲ける」ことが先に立ってしまうのです。そして、「儲けのしくみ」がきちんとできていないことが、商売がうまくいかない主な原因であるということです。

 

その「しくみ」の事例として、酒屋さんが、お勧めの日本酒を顧客へDMをうち、さらにその日本酒購入者に来年用に仮に今から予約するとすれば、どのくらい希望するかの返信用ハガキを付け、合わせてお客さんの声をそのハガキで集めました。さらにそのお客さんの声を集めた冊子をつくり、それをDMでうち売上の急激に伸ばした実例を出しています。

そこには顧客の次の行動につなげるしくみ発想があります。そして何度も動機づけをすることにより、その商品により強い記憶を残し購入に結びつけたのです。ここで学ぶべき点は「これ買うと、こんないいことがあるよ!」ということをキッチリ伝えることの大切さです。

そうしたことが「商人をやっていて良かった」と思える瞬間をつくり、儲けをもたらす好循環を生み出すのです。

 

商人の役割とは、「お客さんに新しい世界を見せる世界を見せてあげること」、

そのために情熱と手法を競う舞台であるとこの本は締めくくっています。